【8月3日 AFP】女性にオーガズムがあるのはなぜだろうか。

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 男性の場合、その機能は明白だ。精子を送り込むためだ。一方で、受胎のために必須ではない女性の絶頂感の生物学的な意味をめぐっては、科学者らと哲学者らは2000年以上もの間、頭を悩ませてきた。

 これに関して今週、米エール大学(Yale University)などの研究チームが実験動物学の専門誌「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・ズーオロジー(Journal of Experimental Zoology)」に新説を発表した。

 この説によると、太古の人類の祖先は排卵を誘発し、受精のために卵子を放出させるのにオーガズムを必要としていたという。エール大は発表文の中で「女性のオーガズムは、過去の進化の過程で人にもたらされた幸運な産物だと思われる」としている。

 論文の共同執筆者でエール大の生物学者、ギュンター・ワーグナー(Gunter Wagner)氏は、AFPの取材に「人の女性のオーガズムは、誘起排卵に由来する進化の遺物だ」と語った。

 研究チームは、これまでに発表された研究を利用して動物の排卵の進化モデルを作成した。

 その結果、多くの哺乳動物ではホルモンのプロラクチンとオキシトシンの分泌が排卵と関連している一方、人ではこれらのホルモンが女性のオーガズムに伴って分泌されることを研究チームは発見した。

「われわれはこれを、人の女性のオーガズムに起因する生理学的変化は他の哺乳類でみられる排卵を引き起こす生理学的変化と起源が同じことを示唆していると解釈する」と、研究チームは結論付けた。