■「移民など一人も要らない」

 一方で、バルガ・ミハーイ(Mihaly Varga)国家経済相は、この問題の解決策となり得るのは「移民」なのではとの認識を示している。程度の差こそあれ、同様の問題を抱える他の欧州諸国もここに注目している。

 ただ雇用主側の悲鳴をよそに、外国人はハンガリー人の職を奪うなという大看板を掲げてきた同国政府にとって、外国人労働者の受け入れはそう簡単ではない。

 オルバン首相はこれまで、移民では労働力不足を補えないと繰り返し主張しており、昨年は外国人、特にイスラム教徒の受け入れに強く反対する態度を示していた。つい最近も、「ハンガリー経済を機能させ、人口を維持し、国家の前途を期待していく上で、移民など一人も要らない」と言い切ったばかりだ。

 昨年、約40万人の移民・難民を通過させたハンガリー政府は、南側の国境に鉄条網とフェンスを設置・封鎖している。

 それでも、オルバン首相の反移民スタンスと新たな人材への需要の拡大に折り合いをつけざるを得ない状況から、そのアプローチにはすでに変化が生まれている。バルガ国家経済相によると、同省ではEU圏外からの移住と就労を認めてはどうかというMGYOSZの提案について検討を開始したという。

 観光業や建設業での人材不足をめぐりMGYOSZは、「熟練技能を持ち、文化的に適応可能な外国人労働者」の採用を提言している。(c)AFP