【7月21日 AFP】インドネシア中部ジャワ(Java)島セマラン(Semarang)には、便器いっぱいのスープに浮かぶミートボールを食べられる、トイレをテーマにしたカフェがある。誰もが思い浮かべる高級料理ではないかもしれないが、最新のブームに乗り遅れまいと同国の人々は列をなしている。

 この「ジャンバン・カフェ(Jamban Cafe)」で客たちはテーブルの周りに配された腰掛式便器に座り、しゃがみこみ式便器で提供される料理を食べる。最近同店を訪れた際には、一方の便器に濁ったスープの中にインドネシアの伝統料理バクソ(ミートボールの一種)が浮かび、もう一方の便器には色鮮やかなノンアルコールカクテルが満たされていた。吐き気を催した場合に備えて、入り口近くにはエチケット袋が用意されている。

 このカフェの狙いは公衆衛生について教育し、トイレの使用を促すことだという。20代の客は「最初は気持ち悪かったけど、怖いもの見たさで料理のいくつかを食べた」と語り「こうした仕掛けがなければキャンペーンの主張が印象に残らないだろうし、とても面白いアイデアだと思う」と付け加えた。

 このカフェのオーナーによると、インドネシアの家庭の約40%にはいまだトイレがなく、多くが屋外で用を足している。このため伝染病が発生し大勢が病院に搬送され、生産性を損なっている。このカフェはそうした問題について議論し、同国の衛生状態を改善する解決策について考えてもらうための場所だという。(c)AFP