【7月17日 AFP】仏保健省は16日、同国南部ニース(Nice)で発生したトラック突入事件で、子ども5人と大人21人が重体となっていると発表した。

 同省の声明によると、重体の人を含めて121人が現在も入院している。入院中の負傷者とは別に182人がニースや近隣の町の病院で治療を受けたという。

 チュニジア国籍のモハメド・ラフエジブフレル(Mohamed Lahouaiej-Bouhlel)容疑者(31)は14日夜、花火の見物客に19トンのトラックで突入し、子ども10人を含む84人を殺害した。

 重体の子ども5人は、ニース市内のランバル財団(Lenval Foundation)小児科病院に入院中だという。同財団の広報担当者ステファニー・シンプソン(Stephanie Simpson)氏は、「5人の子どもは現在も予断を許さない状態だが、うち1人の容体は安定してきた」と述べた。同病院は事件の夜に30人の子どもを治療したという。

 重体の子どもたちの中には身元不明の8歳の男の子がおり、行方不明となっているルーマニア人少年である可能性があるという。

 ルーマニア外務省は「事件時にニースにいたルーマニア人夫婦2人と子ども1人の計3人が行方不明となっている」「ランバル(財団小児科病院)で治療を受けているのが行方不明の少年である可能性もある」と述べた。

 病院の広報担当者のシンプソン氏は、同病院で治療を受けた最年少の子どもは生後6か月で、子どもの大多数は頭部の負傷と骨折の治療を受けていると述べた。シンプソン氏は、「私たちは子どもたちの治療に慣れている。難しいのは精神的なケアだ」と語った。同病院ではトラウマ(心的外傷)を受けた人々のカウンセリングを担当する専門家が50家族以上の精神的ケアに当たっているという。

 一方、同国首都パリ(Paris)で昨年11月、130人が死亡する同時襲撃事件を起こしたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は、「IS掃討作戦に関わっている有志連合への参加国を攻撃せよ」との呼びかけに応じて「戦士」の1人がニースで攻撃を実行したとする犯行声明を出した。(c)AFP