【7月16日 AFP】「黄金のシャツ」を注文して作らせたことで2013年に話題を集めたインドの実業家がインド西部で殺害された。現地のメディアが15日、伝えた。

 インド西部マハラシュトラ(Maharashtra)州プネ(Pune)出身の金融業者、ダッタ・プゲ(Datta Phuge)さんは2013年に1270万ルピー(当時の為替相場で約2200万円)相当で金のシャツをオーダーし、一躍有名になった。

 シャツは、22金のピース1万4000個を15人の職人が16日間かけてつなぎ合わせたもので、重さは3.32キロ。ずっしり重い高価なシャツを作らせたプゲさんは、「黄金の男」のあだ名で呼ばれることを気に入っていた。

 インドPTI通信(Press Trust of India)が現地の警察官の話として伝えたところによると、プゲさんとその息子(22)は14日夜、知人から誕生日のパーティーに呼ばれ、この知人を含む12人の襲撃犯が石や鋭利な武器でプゲさんを襲って殺害したという。プゲさんの息子は父親が殺害されるところを目撃していたが難を逃れた。

 地元警察は、プゲさんがどのような経緯で殺害現場となった空き地に行ったのか捜査を進めているという。警察は金銭トラブルが原因との見方を強め、これまでに4人の容疑者の身柄を拘束した。

 プゲさんは大の金好きで知られ、2013年にAFPの取材に応じた際も、「私は『黄金の男』としてこの地域で知られている。他の金持ちは1000万ルピー(約1560万円)を出してアウディ(Audi)やメルセデス(Mercedes)といった自分の好きなものを買う。私がどんな罪を犯したというんだ。私はただ金が好きなだけ」と語っていた。

 インドは世界一の金消費国で、宗教的な祭りや結婚式で金の購入が重要な意味を持つ。(c)AFP