【7月25日 AFP】ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)は24日、第21ステージ(シャンティイからパリ・シャンゼリゼ、113キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が自身3度目となる総合優勝を果たした。

 4分5秒差の総合2位には、アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)、3位には2013年大会と2015年大会で総合2位に入った実績を持つモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)が入った。ランプレ・メリダ(Lampre-Merida)の新城幸也(Yukiya Arashiro)は総合116位で大会を終えている。

 世界一過酷なレースを3度制し、ツール史上の偉大な名選手たちの仲間入りを果たしたフルームは、「本当に夢のような感覚だ。この場所に立てる特権をかみしめている」と話し、ここまで支えてくれたチームメートへの感謝の思いを語った。「僕のそばにはいつもチームメートがいてくれた。今回は(過去2回の優勝よりも)いっそうタフな大会だった。チーム総合時間賞は取れなかったけど、今年の最強チームは絶対に僕らだ。そのことにものすごく感謝している」

 本人の言葉とは裏腹に、今回はフルームの圧勝と言える大会だった。2015年大会では、フルームと2位キンタナとの差はわずか1分強。さらに今回は、フルーム自身が「クライマーのためのツール」と評したように、コースがキンタナ向きだったこともあって、26歳の彼が総合争いの強力なライバルになると目されていた。

 ところが、世界最強のクライマーと称され、しかも今がキャリアの絶頂期だとみられていたキンタナは、覇気を欠くステージが続いた。本人は体調不良を強調しているが、ツールでは自身過去最低となる3位で満足という弱気なコメントが多くを物語っていた。

 また、ティンコフ(Tinkoff)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)が開幕から2ステージ連続で落車し、前半で棄権したことも、総合争いの面白みが失われた要因の一つだったかもしれない。

 その一方で、2年連続となる区間1勝を挙げた25歳のバルデは、2014年の総合6位、2015年の同9位からさらにジャンプアップし、新時代の到来を予感させた。そしてオリカ・バイクエクスチェンジ(Orica BikeExchange)に所属する23歳のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)も、今大会で躍進を遂げた一人だ。イェーツは総合4位に入賞し、最優秀若手選手賞に当たるマイヨ・ブラン(ホワイトジャージー)を手に入れている。