■舌先の秘密

 だが、疑問が一つ残る。カメレオンが獲物をのみ込むために、捕まえたものをどのようにして、粘つく舌から離すのだろうか。

「あくまで仮説にすぎないが…」とダンマン氏は前置きしながら、幾つかの例を挙げてこれを説明している──舌から剥がすために、口内のどこかから分泌する粘り気のない「通常の」唾液を用いる、あるいは単に粘着性が自然に弱まるのを待つ──といった具合だ。

 粘着力に関しては、獲物の昆虫を舌で引き寄せるのが強くて速いほど、接着が強くなると研究チームは説明する。

 これは、舌が弛緩(しかん)するにつれて、粘着力も同様に緩くなり、最終的に消失するためだ。これにより、カメレオンは自分の舌をかまずに獲物をのみ込むことができるのだという。(c)AFP/Laurence COUSTAL