【1月5日 AFP】極小のカメレオンの一種が舌を伸ばす際の速度は驚くほど速かった──4日に発表された研究論文によると、その加速度は、停止状態から時速60マイル(約97キロ)に達するのに、わずか100分の1秒しか必要としない程だという。

 英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表された論文によると、親指サイズのカレハカメレオン属の一種「Rhampholeon spinosus」が舌を伸ばす際の最大加速度は重力加速度の約264倍に上るという。

 このカメレオンの舌の力は、体重比の動力でみると、1キログラム当たり1万4040ワット。この値は、「爬虫類、鳥類、ほ乳類の1キログラム当たりの筋肉量が作り出す」ものの中で最大で、脊椎動物のなかで、これを上回るのは一部のサンショウウオのみだ。

 研究を行った米ブラウン大学(Brown University)の生物学者、クリストファー・アンダーソン(Christopher Anderson)氏によると、これらの小型のカメレオンの舌については、これまで未計測だったという。

 カメレオンの舌は、体長の2.5倍以上伸びるとされ、わずか0.02秒という素早さで餌となる虫を捕らえることができる。(c)AFP