ファンによる騒動続く、警察が催涙ガスや閃光弾放つ 欧州選手権
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【6月16日 AFP】サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)の開幕節で問題となったイングランドとロシアの過激なフーリガン同士の衝突は、ロシアの第2戦が行われたリール(Lille)にも持ち込まれ、警察当局が催涙ガスや警棒を繰り返し使用しなければならない騒動が相次いだ。
各国のファンの大群が押し寄せたことを受けて、フランス当局は合計4000人の警察官や憲兵をリール市街に配備。その甲斐もあって、ロシアのファンが他国の集団と時折にらみ合いはしたものの、サッカー界に暗い影を落としたマルセイユ(Marseille)の事件のような大規模な乱闘には発展しなかった。
それでもこの日のリールには、グループBに組み込まれたイングランド、ウェールズ、ロシア、スロバキアのファンが無数に集結しており、時間とともに酒量が増えるなか、各所で小競り合いが勃発した。
しかし、35人が負傷した11日のマルセイユの騒動の二の舞は何としても避けたい警察は、深刻な衝突が起こりそうになると、機動隊が催涙ガスや閃光弾を使用。盾を構えて群衆に突撃した。
こうした場面が、夜にかけてリールの中心部でたびたび繰り返された。ある場所では、200人のサポーターがチャントを歌っていたが、日付が変わる直前に解散させられた。
一方でこの日は、ファンゾーンでフランス対アルバニアの試合を観戦していたフランスのファンたちが、試合終了後に警察に瓶や石を投げつける事態も起こっている。
問題はカレー(Calais)からリールへ向かう列車の中でも起こり、当局によれば、車中でいさかいを起こしたイングランドとウェールズのファン5人が、到着後に逮捕されたという。
警察は、この日は36人の逮捕者、16人の負傷者が出たと発表している。また、ロシア人3人、ウクライナ人1人が国外退去させられる予定だという。
フランスの検察当局によると、マルセイユの騒乱の原因は、150人ほどの非常に組織化されたロシアのフーリガン「ウルトラス」にあるという。
欧州サッカー連盟(UEFA)はその後、ロシアに対して、この次ファンがスタジアムで問題を起こした場合、代表チームを大会から追放すると警告していた。
ロシアはこの日スロバキアと対戦し、1-2で敗れた。イングランド対ウェールズ戦は、16日にリール近郊のランス(Lens)で行われる。(c)AFP