■「人道に対する罪」

 今月行われた大統領選の決選投票で敗北した、フジモリ元大統領の娘ケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏は、被害者たちに補償金を支払うと約束していたが、国の責任は認めなかった。

 一方、勝利したペドロ・パブロ・クチンスキ(Pedro Pablo Kuczynski)元首相は、「人道に対する罪」だと表現し、被害者への補償は国が負うとの姿勢を示している。

 人権団体とオンブズマンによれば、このプログラムの下、約30万人が不妊手術を強制された。セダノ氏によれば、このうち2万3000人が男性で、精管切除術が行われたという。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の地域ディレクター、エリカ・ゲバラ・ロサス(Erika Guevara-Rosas)氏は昨年、この強制避妊手術について「南北アメリカ大陸における最も深刻な人権侵害の一つ」だと指摘した。

 セダノ氏によれば、医師たちには避妊手術を行うべき人数が割り当てられおり、それを達成しなければならないというプレッシャーを感じていたという。

 その証拠は、ペルー政府を訴えた被害者4000人以上の代理を務める弁護士らがまとめた文書の中に記されていると、セダノ氏は言う。

 フジモリ元大統領はすでに、90年代初めの左翼ゲリラの虐殺に関与したとして25年の禁錮刑を受け、収監されている。

 だが不妊手術を強制した容疑については、検察当局が2014年に訴追はしないとの判断を下した。代わりに医師6人が起訴されたが、フジモリ元大統領が故意に強制したといえる十分な証拠はないとの判断だった。

 その決定を受けて被害者たちは上訴した。

「痛ましく、言語道断だ。彼女たちの身に起きたことは、誰にでも起こり得る」とセダノ氏は語った。(c)AFP/Roland LLOYD PARRY