【4月10日 AFP】南米ペルーで大統領選投票日前日の9日、兵士1人と市民1人が中部フニン(Junin)県の森林地帯で何者かに殺害される事件があった。毛沢東主義の左翼ゲリラ「センデロ・ルミノソ(Shining Path、輝く道)」の残党による犯行とみられている。有力紙コメルシオ(El Comercio)が陸軍幹部の発言を引用して伝えた。

 センデロ・ルミノソは1990年代におおむね壊滅されたものの、残党が森林地帯に潜伏している。コメルシオが陸軍幹部の発言として伝えたところによると、今回殺された兵士と市民は、投票所の警備を担当する部隊を送っていくところで、市民が車を運転していた。現場の森林地帯は残党の拠点とみられ、コカの主産地ともみられている。

 10日の大統領選は国会議員選と併せて行われ、約2300万人の有権者に投票が呼び掛けられている。世論調査ではアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の長女ケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏がリード。元大統領の政権(1990~2000年)は、センデロ・ルミノソと激しい戦闘を展開した。

 ペルー当局は、センデロ・ルミノソの残党が麻薬密売組織に加わり、山間部や森林地帯で活動を続けているとみている。国連(UN)や米当局によると、ペルーは世界でも指折りのコカの葉やコカインの生産国。(c)AFP