【6月15日 AFP】欧州を目指し耐航性のない船で地中海(Mediterranean Sea)を渡る保護者同伴のない子どもの数が、今年になって倍増している。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が14日、報告書を発表した。

 ユニセフの報告書「Danger Every Step of the Way(行く先々で直面する危険)」によると、イタリアに到着する未成年10人に9人は保護者の同伴がない。今年に入ってからの5か月だけで、こういった未成年の数は7000人以上に上っているという。

 ユニセフは、保護者の同伴がなかったり、離ればなれになった子どもたちについて、密航業者からの虐待や搾取のリスクがとりわけ高いと報告書で指摘した。

 他方で、国際移住機関(IOM)によると、現在、リビアからイタリアへと渡るナイジェリア人女性や少女の急増が懸念されており、その80%が人身売買の犠牲者と推定されている。

 IOMによると今年、地中海で命を落とした人の数は2859人に上っており、その多くは子どもたちだという。昨年は、一年間で同3770人だった。

 今後、欧州は夏季を迎えるこれから、アフリカや中東から地中海横断を試みる人の数はさらに増えるとみられている。

 ユニセフの報告書によると、現時点で移民と難民は、リビアに23万5000人、サハラ砂漠南縁部のサヘル(Sahel)地域に95万6000人いるとされ、そのうちの多くが欧州への入国を希望しているという。(c)AFP/Gilles CAMPION