【5月7日 AFP】ロシアを訪問中の安倍晋三(Shinzo Abe)首相は6日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談し、日露間の数十年にわたる懸案事項、北方領土問題に関する解決の糸口が見いだせたと評価した。日本の外務省の報道官がAFPに述べた。

 川村泰久(Yasuhisa Kawamura)外務報道官は、安倍首相が、交渉が難航している現状で今日は解決に向けた糸口を実感できたと述べていると語った。

 先進7か国(G7)首脳として異例のロシア訪問を果たした安倍首相は、黒海(Black Sea)のリゾート地ソチ(Sochi)にある大統領公邸で、北方領土問題に重点を置いた協議を行った。

 一方、ロシア政府は、6日の会談で北方領土問題解決に向けて大きな進展があるとの見方には否定的だったものの、欧米諸国の間でプーチン氏を孤立化させる動きがみられる中、安倍首相のロシア訪問は関係修復の象徴だと強調していた。

 1対1の話し合いを含め、両首脳の話し合いは3時間を超えた。川村報道官によると、安倍首相は幅広く、忌憚(きたん)のない意見交換が行われたと評価しているという。

■日本は米露の仲介を目指す?

 ロシアはクリミア(Crimea)半島を併合した問題のため、今月26・27日に開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)には招かれていない。

 ロシア政府系日刊紙ロシスカヤ・ガゼータ(Rossiiskaya Gazeta)は5日、「日本はロシアと米国の交渉プロセスの中で一種の仲介者の役割を果たそうとしているようだ」と報じた。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は今年2月にロシア訪問を延期するよう安倍首相に求めたと共同通信(Kyodo News)が関係者の話として報じていた。川村報道官は6日、安倍首相のロシア訪問については米国側にもよく説明してあると述べた。(c)AFP/Anna MALPAS