■「ルワンダ大虐殺後」のようなPTSD

 一方、死者数については正確な記録がない。「途中で分からなくなってしまった」と、国連平和維持活動(PKO)のエルベ・ラドゥス(Herve Ladsous)局長は4月に述べたが、PKO部隊の隊員1万4000人も含めて、これまで誰も死者数を記録してこなかった。

 国連開発計画(UNDP)は、全土で1500人を対象に行ったインタビューを基に、63%が近親者を亡くしたと報告。ほかに、子どもを拉致された人が18%、拷問を受けた人が14%、親類の行方が分からない人が33%、家を破壊された人が55%、病気になっても薬がなかった人が48%いたという。

 別の調査によると、北東部マラカル(Malakal)では、住民の77%が親類を殺害されたという。

 また、国連の調査から、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を示した人が41%いることが明らかになった。「これはルワンダやカンボジアで大量虐殺が起きた後の数字に匹敵する」と、国連の報告書は指摘した。

 死者数が不明であることは、犠牲者に対する侮辱であり、南スーダンの内戦から国際社会の目を遠ざけ、殺害者たちを罰せずに放置することにつながるとアナリストらは語る。

 昨年8月に大統領派と反政府勢力の間で和平協定が結ばれたがその後も戦闘が続き、殺害された人々の痕跡はなくなりつつある。

 2014年に東部ボル(Bor)で大規模な墓地を見つけた国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、「証拠は文字どおり墓標のない墓へと消えている」と警告した。(c)AFP/Peter MARTELL