【4月30日 AFP】インドの首都ニューデリー（New Delhi）で生活する多数のストリートチルドレンの一人、ジョティ・クマリ（Jyoti Kumari）さん（16）は、この都市の絶望的で時に残酷な闇の世界の実情を誰よりも良く知る少女だ。

　クマリさんは今、その知識を活字にして活躍している。正規の学校の教室には一度も足を踏み入れたことがないが、同じストリートチルドレンが運営するタブロイド紙で記者を務め、市内のホームレスが直面するさまざまな難しい問題に取り組んでいるのだ。

「今では記者が70人もいるのよ」。ヒンディー語で「子どもたちの声」を意味するバラクナマ（Balaknama）という名前を持つこの新聞について、クマリさんは輝くような笑みを浮かべながら説明してくれた。

　同紙は高架道路の下や歩道の上で暮らすホームレスの人らを取材。児童婚や性的虐待、麻薬問題、警察の暴力行為などについて、深く掘り下げた記事を掲載している。クマリさんは、この新聞が静かに変化を起こしていくことに期待を寄せている。

　これまでに大きく取り上げた記事の一つでは、鉄道路線で死者を出す事故や自殺があった後、警察が遺体の撤去作業をストリートチルドレンにさせていた実態を暴露。当局をこうした慣行の廃止に追い込んだ。