ラグビー南ア代表HCにクッツェー氏、人種構成の難題に挑む
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【4月13日 AFP】ラグビー南アフリカ代表(スプリングボクス)は12日、アリスター・クッツェー(Allister Coetzee)氏を新ヘッドコーチ(HC)に指名したことを発表した。
クッツェー氏は、2015年まで南アフリカのクラブチームであるストーマーズ(DHL Stormers)を指揮し、昨季からは、ジャパンラグビートップリーグの神戸製鋼コベルコスティーラーズ(Kobe Steel Kobelco Steelers)を率いていた。
ラグビーW杯を2度制しているスプリングボクスは、昨年のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で、ニュージーランドに敗れて準決勝敗退。ここ11試合では、アルゼンチンと日本にまさかの敗戦を喫するなど、5敗を記録している。
クッツェー新HCには、代表の人種構成を見直し、チームの常勝気質を取り戻すという任務が託されることになる。
スプリングボクスでは、先発フィフティーンのうち12人が白人選手で占められることが多いが、これに対して政府や国民の一部は、国の人口構成を反映していないと激しく憤っていた。
南アフリカでは、白人系の人口に占める割合は9%にすぎないが、アパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃により国際舞台への復帰が認められた後も、ラグビー代表チームの主流は、白人選手のまま変わっていない。
南アのラグビー協会(SARU)と政府は、2019年に行われるW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)では、黒人選手の割合を半分にするという目標で合意している。
クッツェー氏は、2008年から2011年まで代表を率いたピーター・デヴィリアス(Peter de Villiers)元HCに続く、スプリングボクスでは史上2人目の黒人指揮官となる。
ヨハネスブルク(Johannesburg)のテレビスタジオで就任が発表されたクッツェー氏は、報道陣に対し、「代表に選ばれる選手は、自分がチームで果たす役割を理解しなくてはならない。それは肌の色とは関係がない」と話した。
「選手選考に際して、われわれは、いろいろな眼鏡を使い分けたりはしない。私には、選んだすべての選手を後押しする責任がある。人種は問題ではない」
(c)AFP