【4月8日 AFP】パナマのイサベル・サインマロ(Isabel Saint Malo)副大統領兼外相は7日、AFPの単独インタビューに応じ、「パナマ文書(Panama Papers)」スキャンダルを受けて経済協力開発機構(OECD)と税務情報の共有に関する協議を強化していく方針を明らかにした。

 サインマロ氏は、「パナマとOECDとの間で、特に情報交換について専門家レベルで対話を行っていくつもりだ」と述べた。

 同氏によると、これに先立って同日行われた、OECDのアンヘル・グリア(Angel Gurria)事務総長との「非常に良い」話し合いの中で、協議を進めていくことで合意したと明かした。

 パナマは、同国の法律事務所モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)から1000万点を超える内部文書が流出したことに端を発し、世界各国の大勢の富豪や著名人らによるオフショア取引が暴露された「パナマ文書」問題を受けて、マネーロンダリング(資金洗浄)を容易にするタックスヘイブン(租税回避地)になっていると再び指摘され、その火消しに躍起になっている。

 OECDはこれまでパナマに対し、透明性や情報共有に向けた努力が不十分だとする非難の急先鋒(せんぽう)に立っていた。

 グリア事務総長は今週、他国の当局の目からの資産隠しを可能にしている「最後の大きな抵抗勢力」とパナマを形容。これに対し同国外務副大臣が、グリア氏は「不公平で差別的だ」と応戦していた。

  AFPとのインタビューでサインマロ氏は、今週パナマをタックスヘイブンのブラックリストに戻すと警告していたフランスとの情報共有を強化していくことも明らかにした。

 パナマはやっと2か月前に、マネーロンダリングやテロリストへの潜在的な資金供与を阻止するための十分な対策を行っていない国々を名指しした国際的な「グレーリスト」から外れたばかり。

 同国は過去数年間、金融機関や法律事務所が設立したオフショア企業に容認されてきた匿名性の排除を目指した改革に乗り出していた。一方、OECDが提唱する自動的情報交換については、パナマの金融センターとしての競争力を損なわない形へ修正を求めるとして、完全実施には応じていなかった。(c)AFP