【4月6日 AFP】ロンドン五輪の女子ハンマー投げで金メダルを獲得したロシアのタチアナ・リセンコ(Tatyana Lysenko)が、ドーピング違反で暫定処分を科された。国際陸上競技連盟(IAAF)が5日、発表した。

 世界選手権(IAAF World Championships in Athletics)で2つの金メダルを獲得した経験があり、結婚した現在は、ベロボロドワ(Beloborodova)姓を名乗るリセンコ。ロシアのメディアは、2005年の世界陸上ヘルシンキ大会で採取されたサンプルを再検査した結果、禁止薬物に陽性反応を示したと伝えている。

 しかしIAAFは、違反が発覚した日や、どの禁止薬物に陽性反応を示したのかなどの情報は明かしていない。

 国ぐるみでのドーピング疑惑が表ざたになり、国際大会への出場を禁じられているロシア陸上界は、今夏のリオデジャネイロ五輪までに資格を回復すべく、組織改革に乗り出している。

 32歳のリセンコにとっては、これが2度目のドーピング違反になるため、処分は重くなる可能性が高い。リセンコは、2005年の世界陸上で銀メダルを獲得し、翌年の欧州選手権で優勝した後、2007年に禁止されているホルモン阻害薬を摂取したとして、2年間の資格停止を言い渡されている。

 皮肉にも、今回ドーピング違反があったとされる2005年の世界陸上では、同胞のオリガ・クゼンコワ(Olga Kuzenkova)が禁止薬物を使用したとして、リセンコが繰り上げ銀メダルを獲得していた。

 リセンコは最初の違反で資格停止処分を科された後、2007年の世界陸上大阪大会、そして翌年の北京五輪を欠場している。(c)AFP