【4月1日 AFP】現在、世界の成人のうちおよそ8人に1人は肥満であるとの調査結果が1日、英医学誌ランセット(The Lancet)に発表された。この割合は1975年の2倍以上になっており、2025年までには5人に1人になる見通しだという。

 掲載された論文によると2014年に存命していた成人約50億人のうち約6億4100万人が肥満だった。また今後9年でその数は11億人を超えると推定されている。

 論文を執筆した英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)のマジド・イザーティ(Majid Ezzati)氏は、血圧やコレステロール値を上昇させる高脂肪、高糖分の食生活が引き起こす「重度の肥満」や病気の危機が目前に迫っていると警鐘を鳴らす。

 BMI(体格指数)は、18.5~24.9が正常値とされ、25以上は過体重、30以上は肥満とされる。30以上では、糖尿病や脳卒中、心疾患、一部のがんのリスクが大幅に高くなる。また、BMIが35以上の場合は高度の肥満、40以上の場合は病的な肥満とされる。

 調査結果によると、世界全体の男性のうち肥満の人が占める割合は1975年に3.2%だったのが2014年には10.8%(約2億6600万人)と約3倍に増え、また女性では、同6.4%から14.9%(約3億7500万人)に増加。男女合わせた割合は12.9%に上った。

 ランセットに掲載された論文によると「もし肥満の人の割合がこのペースで増えるならば、2025年までにはおよそ男性の5人に1人(18%)、女性の21%が肥満になる」とされる。高度の肥満患者については、男性の6%以上、女性の9%以上となる見込みだという。

 また世界の肥満の成人のうち米国、英国、アイルランド、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの6か国の居住者が全体の5分の1近く(約1億1800万人)を占めた。世界全体の高度肥満症患者のうち男性の4人に1人、女性の5人に1人近くが米国の居住者だった。

 データは1698件の研究から得たもので、世界人口の99%が居住する186か国の成人1920万人が対象とされていた。(c)AFP/Mariëtte Le Roux