【3月26日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は25日、用具の進化でスピードやパワーが技術や戦術の優位に立った場合、将来のテニス界は問題に直面することになると警告を発した。

 マイアミ・オープン(Miami Open 2016)のシングルス初戦を翌日に控え、四大大会(グランドスラム)通算14勝を挙げているナダルは、最新技術のラケットを使う長身の選手や屈強な選手が、ポイントや試合を素早くこなすことを見越して、ルール変更が必要だと語った。

「テニスは全般的に、すべての側面から改善が必要になっている。今日の選手は今までよりも長身だ。ラケットも以前より強い球が打てる。その中で、ネットがどれくらいの高さであるとか、すべての面でルールが変わっていないというのも事実だ」

「ポイントが激しく、長くなれば観客は感情的になる。それが少なくなってくると、テニス界にとっての問題になることは明らかだ」

 全仏オープンテニス(French Open)での9度の優勝を含め、ツアー通算67勝を挙げているナダルは、過去と同じように今後の世代がテニスを楽しめるように、順応していくべきだと考えている。

「テニスは長い間とんでもない成功を収めてきている。健康的だ。ただ、それと同時に今後を予測して動く必要がある」

「僕らの世代のことではなくて、今後の世代についてだ。観客は劇的なことや、ラリーを好む。サーブが1本、ショットが1本だけのすごい試合というのは記憶にないからね」

「観客が一番記憶する試合は、信じられないポイントのある長時間の試合だ。1本のサーブや1本のショットだけに称賛が送られたり、感情が出たりすることはない」