【3月24日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は23日、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)で発生した連続テロ事件を受けて、フランスで開催される欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)における「危機管理計画」を策定していると明かした。UEFAはフランス政府とともに、大会は予定通りに行われ、一試合も無観客で行われることはないとしている。

 ここ4か月の間にイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」によって仏パリ(Paris)とブリュッセルが襲撃されたことで、24か国が参加して6月10日にフランスで開幕を迎える欧州選手権の安全性に対し、注目が集まっている。

 昨年11月13日にパリで起きた自爆テロは、スタッド・ド・フランス(Stade de France)が標的の一つとなった。当局者は、今月29日に同スタジアムでフランスがロシアを迎える一戦では、厳戒態勢が敷かれることになるだろうと話した。同25日に予定されているオランダとフランスの親善試合は、予定通りアムステルダム(Amsterdam)で開催されることが発表されている。

 フランスのマニュエル・バルス(Manuel Valls)首相は、大会を開催しないことは「テロリストの勝利」になってしまうとコメントしている。

 UEFAは、大会開催に自信をのぞかせるとともに、「危機的状況」に対する計画があると明かした。

 UEFAの広報を務めるペドロ・ピント(Pedro Pinto)氏はAFPに対し、「安全で華やいだ欧州選手権のために、あらゆる安全対策が施されると確信している。それにとどまらず、すべての参加者の安全面を重要視して、危機管理計画を策定、危機的状況の複数のシナリオについて検討を重ねている」とコメントした。

 一方で、フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)会長は、襲撃を懸念して欧州選手権を中止することは「大げさ」なことだとコメントした。

 AFPのインタビューに対し、ル・グラエ会長は「心配はしていない。襲撃は予測不可能だということは分かっているが、すべてうまくいくだろう。怖がる人もいるだろうし、それについては手の及ばないところなのだから、われわれの役目は保証するということだ。とはいえ、手はずはすべて整っているから好条件の下で試合は行われる」と語った。

 ル・グラエ会長によれば、29日に行われるロシア戦に向けて、追加の警備員が発注されている。昨年の自爆テロ犯はスタジアム内に入ることができず、そのスタジアム外で爆発を起こした。

「11月13日に起きたことは関係なく、スタジアムは守られていると、私たちは考えることができる。新たな方法でさらに守られているから、これ以上の必要はないと思う。私からすれば、安全レベルは十分なものだ」

(c)AFP