【11月15日 AFP】13日にパリ(Paris)でフランス代表と親善試合を行ったサッカードイツ代表は、市内で同日、120人以上が犠牲になる連続襲撃事件が起きたことを受け、安全確保のために会場のスタッド・ド・フランス(Stade de France)で一晩を過ごした。

 ドイツ代表でチームマネジャーを務めるオリバー・ビアホフ(Oliver Bierhoff)氏は、「選手はものすごく不安がっていた。情報が錯綜(さくそう)していたし、市街に出るリスクを犯したくなかった。そこで移動は避けることにした。100パーセント安全ではなかったからだ。だから更衣室にとどまった」と語った。

 事件は、フランス対ドイツの試合が行われていた最中に市内の複数箇所で発生し、試合会場のスタッド・ド・フランスでも、前半の途中に外から大きな爆発音が聞こえた。近くのマクドナルド(McDonald's)の店舗の外で、犯人の1人が自爆したことがのちにわかっている。

 ドイツ代表は試合前にも、爆破予告があったということで、宿泊するホテルを変更しなければならなかった。ヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督によれば、爆発音を聞いたベンチの面々は、まずそのことを思い浮かべたという。

 しかし、彼らが事件の規模の大きさを知ったのは、更衣室に戻ったあとだった。ビアホフ氏は、家族や友人から受け取ったメールで、選手たちは事件の深刻さを理解したと明かす。

 ビアホフ氏によると、それでも選手たちは「本物のプロとして振る舞っていた」という。控室に泊まったチームは、翌日の早朝、目立たないマイクロバスで空港に向かい、独フランクフルト(Frankfurt)へ発った。