【3月24日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が23日、マイアミ・オープン(Miami Open 2016)の会場で記者会見に臨み、男女の賞金額を平等とする既存のやり方を支持すると明言した。ジョコビッチは先日、観客を多く動員する男子選手は、女子よりも高額の賞金を得るべきだと発言して、物議を醸していた。

「スポーツや、人生におけるそれ以外の場面でも、男女同権を問題と思ったことはない。大会では、富が平等に分配されるべきだと思う」

 四大大会(グランドスラム)通算11勝の王者ジョコビッチは、22日、ソーシャルメディア上で自身の発言を謝罪していたが、この日も「同僚である女子テニス選手を傷つけたことについて、本当に申し訳ないと思う」と述べ、「全選手を心から尊敬している」と何度も弁解した。

 先週行われたBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2016)で優勝を飾ったジョコビッチは、決勝戦の後、男子の試合の集客力の方が高いということが統計で分かっているため、「僕らはもっと報われるべきだと思う」とコメントし、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)やアンディ・マレー(Andy Murray、英国)といった数々のトップ選手から批判を浴びていた。

 ジョコビッチは、これについても「彼らを傷つけるつもりは毛頭なかったし、僕の発言に、批判的な意味は含まれていなかった」と話し、「性別による差はいらないと思う。スポーツでの平等を支持している」と改めて強調した。

 全仏オープン(French Open 2016)で、今年こそキャリアグランドスラムを達成するため、マイアミ・オープンではずみをつけたいジョコビッチだが、騒動がここまで発展したことについては、驚きを隠しきれないようだった。

「ここ数日の間、メディアによって話が思わぬ方向に進んでしまったことには、少し驚いたと言わざるを得ない」

「悪意はなかった。おそらく誤解が生まれてしまったんだろう。この話はものすごい広がりを見せてしまった」

(c)AFP/Jim SLATER