■対テロ強硬策へ法改正

 米国がイラクとシリアで実施する空爆作戦の対象となっているイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対しては、大規模な軍事作戦を実施して「ISIS(ISの別称)の頭を切り取り、奴らの石油を奪う」ことを提案している。

 また、テロリストに対する拷問や、その家族の殺害も支持してきた。それから姿勢を転換し、大統領に選ばれた場合は国家の法を尊重すると述べたものの、その後、再び立場を修正。拷問を禁じている法律を改正する意向を表明し、その理由として「われわれはルールに従っているのに、奴らにはルールがない」と説明した。

■ロシアと接近

 米露関係は近年、緊張状態が続いているが、トランプ氏はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領について、「強力な指導者」であり、自分と「馬が合うだろう」と語るなど、擁護する発言を繰り返している。

 プーチン大統領の方も、トランプ氏は「素晴らしい」人物で「間違いなく才能がある」と褒めたたえている。

■日本との貿易戦争

 日米など12か国が参加する環太平洋連携協定(TPP)については、民主党の指名候補を争うバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員と同じくトランプ氏も反対の立場で、米国はこれまで自由貿易協定で何も得していないと主張している。

 同氏は「正しい人が国民の代表を務めていなければだめだ」と語り、もっと米国に有利な協定を引き出したり保護政策を取ったりすると約束。もし日本と中国、メキシコの3か国が「行儀よく」しなければ、輸入品に高い関税を課し、貿易戦争も辞さないと警告している。

 トランプ氏はまた、中国と日本が為替操作をしていると批判している。(c)AFP/Nicolas REVISE