【3月11日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督は10日、この日行われたサッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2015-16)決勝トーナメント2回戦の初戦で、チームはリバプール(Liverpool FC)の強いプレスにただただ圧倒されたと語った。

 ダニエル・スターリッジ(Daniel Sturridge)のPKとロベルト・フィルミーノ(Roberto Firmino)の得点で相応の勝利を手にしたリバプールは、ユナイテッドのGKがダビド・デ・ヘア(David de Gea)でなければ、準々決勝進出は確実になっていたかもしれない。

 英BTスポーツ(BT Sport)で解説を務めた元ユナイテッドのリオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand)氏とポール・スコールズ(Paul Scholes)氏は、かつて所属したクラブのパフォーマンスを酷評。ファーディナンド氏が「無秩序」と刻印を押す中、オランダ人指揮官はリバプールの激しさに苦しんだと認めた。

 イングランドで最も成功を収めた両クラブが、欧州カップ戦で初めて相まみえた一戦を終えて会見に臨んだファン・ハール監督は「リバプールのプレッシャー、強いプレッシャーに対応できていなかったと私の目には映った」とコメントした。

「そうくると思っていたし、今年彼らとホームで対戦(3-1でユナイテッドが勝利)したときも同じ形だったから、それに対応できなかったことに私としては驚いた」

「ダビド・デ・ヘアからデリー・ブリント(Daley Blind)やクリス・スモーリング(Chris Smalling)にボールを回せず、あちらのプレッシャーに応じることができなかった」

「それで雰囲気ができあがってしまった。あちらはチャンスを作り出したが、われわれには素晴らしいGKがいた。それもあってわれわれは試合に踏みとどまっている」

 メンフィス・デパイ(Memphis Depay)がナサニエル・クライン(Nathaniel Clyne)を倒して与え、スターリッジが決めたPKと、マイケル・キャリック(Michael Carrick)の中途半端なクリアを発端とするフィルミーノの得点をともに「ちゃちな」ゴールと表現したファン・ハール監督だったが、終盤にマルアン・フェライニ(Marouane Fellaini)がリバプールのエムレ・カン(Emre Can)に肘打ちを見舞ったとみられる場面は、目にしていないと語っている。

 ユナイテッドは、13日に行われるイングランドFAカップ(FA Cup 2015-16)準々決勝で好調のウェストハム(West Ham)との対戦を控えているが、8強入りに王手をかけたリバプールは次戦に向けての準備に丸々1週間をかけられる。

 リバプールのユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は試合後、キックオフ前にサポーターがこの日試合が行われたアンフィールド(Anfield)で作り出した雰囲気を「素晴らしいものだった」とたたえたが、ファン・ハール監督はユナイテッドのファンに、この日の相手チームのサポーターを見習って、本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)で大歓声を上げてほしいと求めた。

「2-0というスコアは苦しい結果で、われわれにとっては厳しい。われわれも、リバプールのファンが作り出したような雰囲気を作り出す必要がある」

(c)AFP