【3月11日 AFP】男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は10日、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)は禁止薬物の陽性反応という結果の報いを受けるべきと語るとともに、同選手が薬物の不正使用者に痛烈なメッセージを送ることに期待を寄せた。

 米カリフォルニア(California)州インディアンウェルズ(Indian Wells)で行われるBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2016)に出場するマレーは、検体から禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)の陽性反応が出たシャラポワや、国際テニス連盟(ITF)、そしてスポンサー企業のすべてを批判した。

「運動能力向上剤を摂取して、薬物検査に落ちた選手は出場停止処分を受けるべき」と語ったマレーは、「こういったことは、スポーツ界では定期的に起こること。ショッキングだとは言わない。今年1月1日から、55選手が検査に落ちたと目にした。ハイレベルなスポーツ選手が心臓に異常をきたしているとは思わない」と語った。

 マレーは続けて、今年1月以降のメルドニウムの陽性反応検出数の増加は、多くの選手が合法の能力向上剤を処方薬に求めていることを示していると語った。

「ただ合法だからといって、必要のない処方薬を摂取するのは間違っている。能力を向上するという利益のためにやっているんだ」

 不正を行っている選手と対戦していたらと問われたマレーは、「そうではなかったことを願う。とはいえ、どうしようもないことだ」と続けた。

 一方でマレーは、ITFや女子テニス協会(WTA)が、自ら陽性の検査結果を公表することをシャラポワに許可したことは驚いたと明かした。

「公表するかどうかは選手次第というのはおかしいと思う。連盟や協会が公表の判断をする方が良い」

 マレーのラケットのスポンサーを務めるヘッド(HEAD)社はこの日、シャラポワのドーピング検査での違反が見つかったにもかかわらず、同選手を広告塔として起用していく計画を明かした。

 すでにスイスの時計メーカー、タグ・ホイヤー(TAG Heuer)や米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)、独高級スポーツカーメーカーのポルシェ(Porsche)が、シャラポワとの契約を一時中断しているが、マレーはヘッド社の判断に不満を見せた。

「信用できることではない。個人的にそういった反応はしないだろう」

 マレーは今年に入りこれまでに2度の薬物検査を受けているものの、これでは回数が「不足」しているとの考えを明らかにしている。(c)AFP