【3月3日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は2日、米国でプレーするために亡命を図るキューバ人選手の人身売買を減らすために、米政府と現在協議中であることを明らかにした。

 大リーグの法務責任者を務めるダン・ハレム(Dan Halem)氏は、MLBの公式ウェブサイトに掲載された報告書で、キューバ人選手が直接プロ球団と契約できるようにするための提案書を米財務省に提出していると公表した。

 この問題では大リーグとホワイトハウス(White House)に対する重圧が増してきており、選手がキューバから米国へ安全に渡るための政策が求められている。

 同サイトの報告によれば、ここ20か月間で約125人の選手が契約を求めてキューバを離れたという。

 米国の対キューバ禁輸措置が敷かれていた冷戦時代の1961年以降、100人以上のキューバ人選手が大リーグでプレーしているが、そのほとんどは亡命者だった。

 この7か月間は大リーグと米財務省の間で秘密裏に協議が行われており、制限無しで大リーグでのプレーが可能になるシステムの構築に向けて動いている。

 ハレム氏によれば、キューバ人選手の査証取得を可能にするための手段を作る計画があるほか、選手の給与の一部は非政府機関に送られ、キューバの施設やスポーツ教育の改善に充てられることになるという。

 査証取得の計画については、現職として88年ぶりにキューバを訪問するバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が、今月下旬に同国で開催される親善試合を観戦する予定になっていることを受けて発案された。

 首都ハバナ(Havana)で22日に行われる親善試合では、タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)がキューバ代表と対戦することになっている。大リーグ球団がキューバで試合を行うのは、1999年以来のこととなる。(c)AFP