【3月1日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)の北東に位置するムクダディヤ(Muqdadiyah)で2月29日、イスラム教シーア派(Shiite)の葬儀を標的にした自爆攻撃が発生し、民兵組織の司令官らを含む少なくとも24人が死亡、数十人が負傷した。当局が発表した。スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。

 狙われたのは、ムクダディヤがあるディヤラ(Diyala)州の主要部族の一つに属するシーア派名士の葬儀。州の治安関係者によると、この攻撃で2つの有力なシーア派民兵組織の司令官各1人が殺害された。

 ISはインターネット上に犯行声明を出し、自爆攻撃の標的はムクダディヤの民兵らの集まりだったと説明。さらに、犠牲になったとされる人々の一部の名前も列挙した。

 イラクでは前日の28日にも、首都北部のシーア派居住地区で連続爆弾攻撃が発生し、これまでに少なくとも39人の死亡が確認され、76人が負傷。今年に入りバグダッドで最多の死者を出した事件となった。ISはこれについてもインターネット上に犯行声明を出している。ISはさらに同日、バグダッド西郊のアブグレイブ(Abu Ghraib)地区で陸軍陣地を襲撃し、政府軍側の少なくとも8人が死亡した。

 ムクダディヤでは今年1月、やはりISがカフェを標的にした攻撃を行い、少なくとも20人が死亡、数十人がけがをしていた。その後、同地区のスンニ派の建物を狙った報復攻撃が相次いだ。

 29日の攻撃で民兵司令官らが殺害されたことを受けて、さらなる報復行為に発展する可能性が懸念されており、州当局は人々に冷静さを保つよう呼び掛けている。(c)AFP/Rim Haddad with Rana Moussaoui in Beirut