【2月29日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)にあるイスラム教シーア派(Shiite)の居住地区で28日、連続爆弾攻撃があり、当局によると少なくとも33人が死亡、79人が負傷した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。同市で今年に入って起きたものとしては最多の死者を出す攻撃となった。

 治安・保健両当局によると、バグダッド北部サドルシティー(Sadr City)の市場近くで2件の爆発が発生。うち少なくとも1件は自爆攻撃だった。ISはインターネット上に出した犯行声明で、2人の自爆犯がサドルシティーで自爆ベルトを爆発させたと主張している。

 イラクで起きる自爆攻撃は、ほぼISのみによって行われている。イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織のISは、イラク国内で多数派のシーア派を異端とみなしており、シーア派を標的とした爆弾攻撃などを頻繁に起こしている。

 バグダッド北部の別のシーア派地区シュアラ(Shuala)では25日、シーア派信者を狙った連続自爆攻撃が起き、少なくとも9人が死亡。ISはこの事件でも犯行声明を出していた。

 また、治安当局によると、同市西郊のアブグレイブ(Abu Ghraib)陸軍陣地が28日早朝、ISの襲撃を受け、一時占拠された。政府軍は夜に同陣地を奪還したが、当局によると、兵士と政府側部隊の隊員を含む少なくとも8人が死亡、少なくとも22人が負傷した。IS側にも複数の死者が出たという。(c)AFP/W.G. Dunlop