【2月29日 AFP】英紙サンデータイムズ(Sunday Times)で引退を表明したスポーツ記者のヒュー・マッキルバニー(Hugh McIlvanney)氏に対し、ボクシング界の伝説モハメド・アリ(Muhammad Ali)氏や、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の名将アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)氏が、賛辞を贈っている。

 82歳のマッキルバニー氏は、1960年代から70年代にかけて、世界ヘビー級チャンピオンとして数々の名勝負を見せたアリ氏を取材したほか、65年にわたるキャリアの中で、サッカーや競馬の記事でも高い評価を受けている。

 アリ氏はサンデータイムズに対し、「彼の言葉は、当時の王者たちの人生、勇気、困難、勝利に触れさせてくれるものだった」とメッセージを寄せた。

「彼はわれわれのスポーツにおいて、独特な、そして大変な貢献をしてくれた」

 マッキルバニー氏と同じくスコットランド(Scotland)出身のファーガソン氏は、「彼と一緒に自叙伝の執筆ができたのは、最高の経験だったし、彼がプロとしての完璧な仕事ぶりを見せてくれた瞬間でもあった」と振り返っている。

「彼は本物のサッカー人で、その表現力は群を抜いている」

 1934年、西部キルマーノック(Kilmarnock)に生まれたマッキルバニー氏は、1950年にキャリアをスタートさせ、英紙のオブザーバー(Observer)や、デーリー・エクスプレス(Daily Express)などで記者を務めた後、1993年にはサンデータイムズに入社した。

 マッキルバニー氏は、数々の賞を受けているほか、2009年には国際ボクシング殿堂(IBHOF)の殿堂入り記者になっている。

 コラムニストとしては引退するマッキルバニー氏だが、今後も、サンデータイムズのゲストライターとして寄稿するとしている。

 スポーツ記者を引退するという決断について、マッキルバニー氏は、「暖炉の前に腰掛け、昔の自分についてぼそぼそ話しているような老人にはなりたくなかった」と説明している。(c)AFP