【2月26日 AFP】サッカー・アルゼンチン代表リオネル・メッシ(Lionel Messi)選手のユニホームをプラスチックの袋で作って着た写真が先月インターネット上で話題になったアフガニスタンの少年に、メッシ選手本人から直筆サイン入りのユニホーム2着がプレゼントされた。

 メッシ選手は、自身が親善大使を務める国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)を通じ、アフガニスタン東部ガズニ(Ghazni)州に住むムルタザ・アフマディ(Murtaza Ahmadi)君(5)にユニホームを贈呈。ムルタザ君は、家族と共に首都カブール(Kabul)へ出向いてこれを受け取った。

 ユニセフ・アフガニスタン支部の報道官はAFPに対し、「ムルタザ君は終始笑顔だった。『メッシ選手大好き』と何度も言っていた」と話した。

 メッシ選手は2着のユニホームにスペイン語で「たくさんの愛を込めて」とのメッセージ付きサインを書き、さらにサッカーボール1個も添えたという。

 ムルタザ君は迫害を受けている少数民族ハザラ人(Hazara)で、家庭は貧しくユニホームを買う経済的余裕はなかった。そこで兄のホマユン(Homayoun Ahmadi)君(15)が、メッシ選手の名前をマジックで書いたアルゼンチン代表ユニホームをプラスチックの袋で作ってムルタザ君に着せ、その写真を先月半ばにフェイスブック(Facebook)に投稿した。

 写真は世界中のサッカーファンの胸を打ち、ムルタザ君にはソーシャルメディア上で「リトル(小さな)メッシ」という愛称がつけられた。

 アフガニスタンサッカー連盟(AFF)は、メッシ選手本人がムルタザ君とできるだけ早く面会したいと希望し、連絡を取り合っていると明かしていた。また在カブールのスペイン大使館もAFPの取材に対し、面会を実現させるため善処する意向を示していた。

 しかし旧支配勢力タリバン(Taliban)による反政府活動が激化しているアフガニスタン国内で面会を設定しようとすれば、警備上の問題が出てくるのは必至。メッシ選手に近い情報筋は今月初め、2人の面会に関する臆測については認めることも否定することもできないと語っていた。(c)AFP