【1月14日 AFP】米シンクタンク「科学国際安全保障研究所(ISIS)」は14日、北朝鮮最大の兵器級プルトニウム供給源とみられている寧辺(Yongbyon)の原子炉について、最近の衛星画像を分析した結果、全稼働状態にはないことが示唆されると発表した。

 北朝鮮は、6か国協議での合意に基づきエネルギー支援などと引き換えに2007年に寧辺(Yongbyon)の核施設を無能力化したが、2013年に3度目の核実験を実施した後、操業を再開している。専門家によれば、寧辺の施設を全稼働させた場合のプルトニウム生産能力は年6キロ。核爆弾1個の製造に十分な量だ。

 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)に本部を置く同研究所は、2014年後半~15年末に撮影された寧辺の衛星画像を分析。この期間中の核施設の動きは、断続的な稼働か低出力での連続操業だったと結論付けた。

 分析では、施設からの水蒸気や熱湯の排出といった稼働状況の指標から、寧辺では数週間の限定操業の後に稼働を停止したとみられるパターンが認められた。こうした稼働状態を続けている理由は不明だという。

 今回の分析結果は、寧辺では全施設が正常に稼働しているとの昨年9月の北朝鮮政府の発表と食い違っている。(c)AFP