【1月5日 AFP】今年行われる米大統領選挙で、共和党指名獲得争いの首位に立つドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は4日、初のテレビ向け選挙CMを公開した。その中でトランプ氏は、イスラム教徒の入国禁止を訴え、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の壊滅を公約している。

 30秒間のCMは、アイオワ(Iowa)州とニューハンプシャー(New Hampshire)州で5日から放送される予定。放送にかかる費用は1週間で200万ドル(約2億4000万円)という。アイオワ州では党指名候補を決める党員集会での投票が来月1日、全米に先駆けて行われ、その8日後にニューハンプシャー州が続く。

 CMは男性の声のナレーションで、「政治家たちは何か別のものであるふりをするかもしれないが、ドナルド・トランプはこれを過激なイスラム主義のテロと呼ぶ。それが、彼がイスラム教徒の米国入国の一時的禁止を呼び掛ける理由だ」と説明している。

 CMはまず、選挙集会で演説するトランプ氏の映像で始まる。その後、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領と、民主党候補の中で一番人気のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏の画像が映され、さらに昨年12月にカリフォルニア(California)州サンバーナーディーノ(San Bernardino)で発生した銃乱射事件の実行犯とされる夫婦の顔写真が映る。

 すると、ナレーションは夫婦に影響を与えたとされるISに触れ、「彼(トランプ氏)は即座にISIS(ISの別称)の息の根を止め、ISから石油を取り上げるだろう」と語る構成になっている。

 不動産王のトランプ氏は、選挙費用を全て自分で拠出しており、これまではテレビ用の選挙CMには一切資金を費やしていないことを誇っていた。同氏は4日、「この広告には非常に満足している。必要かどうか分からないが、念には念を入れておきたいから」と語った。(c)AFP