【12月16日 AFP】キューバから亡命し、現在は米大リーグ(MLB)でスター選手として活躍するヤシエル・プイグ(Yasiel Puig)やホセ・アブレウ(Jose Abreu)らが15日、亡命してから初めて母国の土を踏んだ。

 MLBは現在、米国とキューバの国交回復を受けて、史上初となるキューバ訪問ツアーを実施している。野球への情熱は、両国をつなぐ接点の一つだが、同時に数十年にわたって続いた断交期間中は、対立を深める一因にもなっていた。

 2012年にロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)へ加入した外野手のプイグ、2013年にシカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)へ加入した一塁手のアブレウのように、キューバの選手がMLBのまばゆい照明の下でプレーしたいと思えば、母国を脱出する以外に方法がなかった。

 その2人が今、MLBの代表として母国へ帰り、4日間の滞在期間中にはワークショップを開催するほか、キューバの野球関係者とも面会する予定となっている。

 現在25歳のプイグは、AFPに対し、「キューバにいられてすごくうれしいよ。帰国の機会を与えてくれた人たちに感謝したい」と話した。

 今回のキューバ訪問は、昨年12月17日に米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領とキューバのラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長が歴史的な歩み寄りを発表してから、1周年を祝う記念行事となる。

 1年前の国交回復以来、両国はワシントン(Washington D.C.)とハバナ(Havana)というそれぞれの首都に大使館を再開するなど、冷戦(Cold War)時代から50年以上続いてきた対立を解消すべく、最初の何歩かを踏み出してきた。

 ところが、キューバの野球選手はいまだに米国行きを認められておらず、MLBでプレーするには亡命以外に方法はないが、亡命した場合は帰国が許可されない。