【12月15日 AFP】米大リーグ機構(MLB)のロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは14日、最多安打記録保持者で、監督時代の1989年に野球賭博に関与したピート・ローズ(Pete Rose)氏について、球界からの永久追放処分を解除しないと発表した。

 今回の決定により、元シンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)のスター選手であるローズ氏は、歴史に残る成績を収めながらも野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りの扉は閉ざされたままとなる。

 今年1月からバド・セリグ(Bud Selig)氏の後任を務めているマンフレッドコミッショナーは、9月下旬にニューヨーク(New York)にある大リーグ機構のオフィスで、74歳のローズ氏と面会した。その際にローズ氏は処分の再考を求め、年内には決定が下されると伝えられていた。

 マンフレッドコミッショナーは、決定の内容を記した3ページにわたる声明文で、「ローズ氏が自身の違反行為をどの程度把握しているか、完全に明確とはいえない」と述べており、同氏が今でも競馬や野球を含めたスポーツで賭けを行っていることも強調している。

「ローズ氏は、自らの過ちを真摯(真摯)に受け入れ、または厳しく自覚し、1989年に永久追放処分に追い込まれた環境から自ら脱却するためのプログラムを続けるなど、人生を悔い改めたという確かな証拠を提示していない」

 大リーグ機構の調査では、ローズ氏がレッズの監督時代に野球賭博を行っていたと結論づけられている。一方、長い間疑惑を否定していたローズ氏は、2004年に賭博行為を認めたものの、所属チームの敗戦に賭けたことは一度もないと主張していた。

 計17回のオールスター(All-Star Game)選出を誇るローズ氏は、現役時代に大リーグ歴代最多の通算4256安打を記録し、ワールドシリーズのタイトルも3度獲得している。(c)AFP