【12月8日 AFP】米調査会社IHSは7日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」には、主に徴税や資産没収などで毎月約8000万ドル(約99億円)の収入があるものの、石油関連のインフラが空爆を受けたことにより資金難に陥っていることを示す情報もあるとする報告書を発表した。

 報告書によると、ISは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)など他のイスラム過激派組織とは違い、シリアやイラクの広大な支配地域から収入を得ることができるため、外国からの資金援助に頼る必要はないという。

 IHSは、両国内の情報筋やソーシャルメディアなどで公開されている情報源を基に、2015年後半時点のISの月収は約8000万ドルと試算。ISは、すべてのサービスに対して20%の税金を課しており、収入の約半分は徴税や資産没収などから得たものだという。また、月収の約43%を石油売却から、残りを麻薬密輸、電気売却、献金から得ているとされる。

 IHSはまた、米国主導の有志国連合やロシアによる油田や石油輸送車などの石油関連インフラを標的とした空爆の増加が効果を生み始めていると指摘。その埋め合わせとして今後、支配地域での公共サービス料金を引き上げる可能性があり、すでに困窮している住民らの生活はいっそう苦しくなる恐れがあるとしている。(c)AFP