【12月4日 AFP】ロシアの戦闘機がシリア国境付近でトルコ軍に撃墜された問題で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は3日、トルコ政権は撃墜を後悔することになるだろうと述べた。一方のトルコ政府は、撃墜で死亡した露軍操縦士への哀悼の意を示した。

 プーチン大統領は定例の年次教書演説で、「わが国の国民の殺害という凶悪な戦争犯罪を起こしておきながら、トマト(の禁輸措置)や建設などの分野の制限ですむと思うなら、大間違いだ」「われわれは、相手に自分たちが何をしたのかを常に思い知らせる。彼らは、自分たちの行為を後悔し続ける」と述べた。ロシア政府はこの演説から間もなく、トルコと続けていた天然ガスパイプライン建設計画の協議を打ち切ると発表した。

 同日にはトルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相とロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相が、セルビアの首都ベオグラード(Belgrade)で会談。撃墜問題の発生以降、初めて両国の閣僚レベルでの会談が実現した。

 チャブシオール外相は会談後、死亡したロシア人操縦士に対して哀悼の意を表明。しかしロシア側が求めていた謝罪声明はなく、ラブロフ氏との40分に及ぶ会談でも事態の突破口は開けなかったと認めた。

 ロシアは、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領とその家族が、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との違法な石油取引に関与していると非難しているが、エルドアン大統領は3日、これを真っ向から否定。ISと石油取引をしているのはロシアの方で、その証拠も入手していると反論した。(c)AFP/Katarina SUBASIC, Max DELANY in Moscow