【11月27日 Relaxnews】中米コスタリカの太平洋側の海辺でアイスクリームを売るマミーチェさんのスタンド前には、週末の夕暮れ時ともなればアイスクリームを求める人たちの行列ができる。

 一見すると、ありふれた、のどかなビーチの光景だが、マミーチェさんのスタンドの冷蔵庫や扇風機、照明は配電線にはつながっていない。耳障りな騒音を出す自家発電機もない。代わりに電力を供給しているのが、スタンドの屋根に設置されたソーラーパネルだ。クリーンエネルギーを軸に環境に優しい国づくりを推し進めるコスタリカの一面が、ここにみられる。

 アイスクリームスタンドの経営者、ルイス・ディエゴ・バスケス(Luis Diego Vasquez)さんは、以前は店を維持するために不快な臭いのする発電機の燃料に毎日40ドル(約5000円)も払っていたと振り返る。「騒音や公害にうんざりして、太陽光を利用するソーラーパネルを設置しようと考え始めた。太陽ならばコスタリカには、あふれるほどあるからね」

 河川や火山が豊富な中米の小国コスタリカは、水力や地熱、風力、太陽光を利用した電力を送電網で供給しており、今年は総発電量のうち再生可能エネルギーが占める割合が97%に達するとみられている。

■車の排ガスが悩み

 だが一方で、コスタリカには年季の入った車やバスが道路渋滞を引き起こし大量にガスを排出している側面もあり、環境に優しい国のイメージを損ねている。

 同国の道路管理当局によれば、人口約500万人のコスタリカには約140万台の車両があるが、その平均使用年数は16年で、これが排ガス問題の悪化を招いている。

 こうした状況を打開しようとコスタリカ議会で先月、CO2を排出しないエコカー購入の促進を目的に、与党議員が電気自動車の輸入規制を期限付きで撤廃する法案を提出している。(c)Relaxnews/AFPBB News