【11月26日 AFP】男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2015)のワールドグループ決勝は、誰もが予想しなかったベルギーと英国の対戦となり、誰も求めないような雰囲気の中で開催される。

 決勝が行われるベルギーのヘント(Ghent)は、フランスの首都パリ(Paris)で発生し、130人の死者と数百人の死傷者を出した同時テロの影響を受けている首都ブリュッセル(Brussels)からわずか55キロほどしか離れていない。ベルギー政府はブリュッセルに最高レベルの厳戒態勢を敷いており、パリの同時テロの容疑者の捜索を続けている。

 それでも、ヘント入りしている両国の選手は、恐怖や懸念があるにもかかわらず、テニス界、そして歴史に名を残すことに意識を集中していると語った。

 英国は、フレッド・ペリー(Fred Perry)氏を擁していた1936年以来となる通算10度目のタイトルを狙う。一方のベルギーは、111年ぶりの2度目の決勝に臨む。その決勝では、当時のブリテン諸島チーム(現:英国)に敗れている。

 27日から29日にかけて1万3000人収容のフランダース・エキスポ(Flanders Expo)で行われる一戦の中心人物は、まぎれもなく英国のナンバーワン、アンディ・マレー(Andy Murray)だ。

 世界ランク2位につけるマレーは、今季のデ杯では強豪の米国、フランス、オーストラリアとの戦いで8戦全勝(シングルス6勝、ダブルス2勝)を挙げ、1978年以来となる英国チームの決勝進出に貢献した。

 勝利が有力視される中、決勝のシングルス2試合で白星を挙げれば、マレーはジョン・マッケンロー(John McEnroe)氏、マッツ・ビランデル(Mats Wilander)氏に続いて史上3人目となる同一シーズンでのデ杯シングルス8勝を飾ることになる。

 ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に次ぐ世界ランク2位で今年を終えることが決まったマレーは、ハードコートで行われたATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2015)で1週間を送ったため、インドアのクレーコートに短期間で順応する必要がある。

 2日目(28日)に行われる重要な一戦になると見込まれるダブルスで兄のジェイミー(Jamie Murray)とコンビを組むとみられる28歳のマレーは、初日には準備が整っているだろうと自信をのぞかせた。

「四大大会(グランドスラム)を開催する他の3か国を下してきて、テニス界最大のチーム対抗戦で優勝。チームのみんなにとって大きな勝利となるだろう」

「優勝に値すると思う。選手やスタッフ、コーチ、理学療法士、みんなが時間をかけて頑張ってきた。5年くらいね」

「グランドスラムや大きな大会を制するのにも、数年を要するのはもちろんだけれど、それとは少し違う。この5年間で下から這い上がってきた。関係してきた人間みんなにとって大きなことなのは間違いない」