【11月23日 AFP】職務停止処分が科されている国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が22日、「天使と悪魔がみえた」と明かし、先日の体調不良で死の恐怖に直面したと語った。

 FIFAにおける大規模な汚職事件の捜査を受け、活動が90日間禁止されている79歳のブラッター会長は、今月初めにストレスによる体調不良で入院していた。

 スイスの公共放送局RTSが放送したインタビューの中で、ブラッター会長は「死ぬところだった。歌っている天使と火を燃やしている悪魔がみえたが、やがて歌っている天使だけになった」と語っている。

「ものすごい重圧にさらされ、体が『いやだ』、『もうたくさんだ』と悲鳴を上げていたときもあった。しかし、強い精神力があれば乗り越えられる」

 今年9月に、スイス検察当局はブラッター会長を対象とした犯罪捜査を始めている。ブラッター会長は不正管理を行い、2011年には欧州サッカー連盟(UEFA)会長のミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏に200万ドルの疑わしい報酬金を支払ったとされており、プラティニ氏も現在90日間の活動停止処分が科されている。

 しかし、18日に収録されて22日に放送されたインタビューでブラッター会長は、プラティニ氏について「正直な人物」だと称賛した。

「契約は成立している。FIFA規則のなかでも、契約は書面か口頭で成立可能とされている。あれは口頭契約であり、仕事上の契約だ」

 報道によると、2011年に行われたプラティニ氏への支払いについては、フランス出身の同氏に対する約10年前の報酬だとされている。

 プラティニ氏は処分中の身でありながら、ブラッター会長の後任を決める来年2月のFIFA会長選に出馬している。

 現UEFA会長のプラティニ氏が、FIFAの責任者にふさわしいかという質問に対し、ブラッター会長は「イエス」と答えた。

「彼が職務に復帰すれば、当選するだろう」

(c)AFP