【11月13日 AFP】マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督の映画『グッドフェローズ(Goodfellas)』(1990年)の題材となった米空港での現金・宝石強奪事件に関与したとして起訴されたマフィアの大物メンバー、ビンセント・アサロ(Vincent Asaro)被告(80)に対し、米ニューヨーク(New York)ブルックリン(Brooklyn)の連邦地裁は12日、全ての罪状について無罪を言い渡した。

 アサロ被告は犯罪組織ボナンノ(Bonanno)ファミリーのメンバーで、1960年代後半~2013年の約45年間にわたる殺人、暴力事件、強盗・恐喝などの行為について起訴され、検察は終身刑を求刑していた。

 無罪判決を聞いたアサロ被告は、満面の笑みを浮かべて「家族とおいしい食事がしたいね」と言い残し、裁判所を後にした。

 ニューヨークのケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)で1978年12月に起きた現金・宝石強奪事件は、米本土で起きたこの種の事件でも最大規模とされている。独ルフトハンザ航空(Lufthansa Airlines)の貨物庫から現金500万ドルと約100万ドル相当の宝石類が武装した男たちによって奪われたもので、現在の貨幣価値に換算すると被害総額は2000万ドル(約24億5000万円)に上るとみられる。

 この強奪事件に絡んで訴追されたボナンノファミリーのメンバーは、アサロ被告が最初で最後になるとみられる。(c)AFP