【10月9日 AFP】香港(Hong Kong)や東京(Tokyo)、シンガポールはもう古い?代わりにアジアの新しいファッション中心地として台頭しつつあるのが、韓国の首都ソウル(Seoul)だ。世界の超一流ブランドが、地域のトレンドセッターとなっているKポップカルチャーの人気にあやかってその恩恵を被ろうと、有望な投資先探しにしのぎを削っている。

 経営コンサルティング会社のべイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)によると、急成長を遂げつつあるアジアは、世界の高級ブランド業界をけん引する主要な市場となっており、その全世界の売上高の3分の1に貢献しているのが中国人消費者だという。

 中国の消費者らは、国外のルックを参考にする傾向にあることから、ベイン社がアジアの「トレンドセッターでありファッションや高級品業界に影響を与える国」と評する韓国に、多数のブランドが熱視線を送っているのである。

 特に昨年は、世界的な大手ファッションメゾンが韓国への進出を強化した。同国の人気テレビタレントやポップスターからファッションのインスピレーションを受けるアジアの富裕層に訴求していこうというのがその狙いだ。

 フランスのトップブランド「シャネル(Chanel)」が今年5月に、韓国で初めてとなるコレクションの発表会、15/16年クルーズコレクション(Cruise Collection)をソウルで開催したのに続き、翌6月には「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」が、アジア最大となる6階建ての旗艦店を、韓国の人気ラップ歌手PSYの世界的大ヒット曲「江南スタイル(Gangnam Style)」で一躍有名になった一等地、江南地区にオープンした。

 さらに「ディオール」や「ルイ・ヴィトン(LouisVuitton)」を傘下に置く世界最大手の高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(Moet Hennessy Louis VuittonLVMH)も、ソウルで活況を呈しているKポップ業界に直接投資し始めた。