【10月6日 AFP】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のベツレヘム(Bethlehem)に近いパレスチナ難民キャンプで5日、パレスチナ人とイスラエル軍による衝突が発生し、13歳のパレスチナ人少年が射殺された。警察と医療関係者らが明らかにした。

 少年は胸を撃たれて死亡。さらに数十人が負傷した。前日にも、イスラエル軍の発砲を受けた19歳のパレスチナ人が死亡したばかりだった。

 イスラエル軍報道官は、50人前後の暴徒が治安部隊に向けて投石していたと発表。「攻撃が続いたため、部隊が扇動の中心集団に向かって22口径の銃で応戦したところ、そのうちの1発が当たったことを確認した」と述べた。「今後調査を行っていくが、パレスチナ人1人が死亡したという報告を把握している」としている。

 その後ベツレヘム内と東エルサレム(East Jerusalem)のシュアファト(Shuafat)でも、イスラエル軍兵士らとデモ隊とのさらなる衝突が発生した。

 前日の4日に、15歳のイスラエル人を刺殺したとされる19歳のパレスチナ人男性がイスラエル警察に射殺された様子を写したとみられる動画が広まったことで、現地ではいっそう緊張が高まっていた。男性の遺族らは、イスラエルの治安部隊によって男性が「処刑」されたと非難している。

 またイスラエル当局は5日、ヨルダン川西岸(West Bank)のイスラエル占領地で今月1日にイスラエル人夫婦が殺害された事件を受け、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の戦闘員とされる5人を逮捕したと発表した。

 ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は最近の一連の攻撃を受けて、治安強化を約束。エルサレム(Jerusalem)旧市街では、4~5日の2日連続でパレスチナ人の立ち入り禁止措置が取られた。

 この情勢不安が制御不能に陥るのではという懸念が広がると同時に、過去のパレスチナ人による暴動の記憶がまだ新しいこともあり、国際社会は双方に冷静な対応を呼び掛けている。(c)AFP/Hossam Ezzedine