【10月5日 AFP】暴風雨とそれに伴う洪水に見舞われ、少なくとも17人が死亡した南仏コートダジュール(French Riviera、フレンチリビエラ)では、依然として4人が行方不明となっており、救助隊が5日も捜索に当たる一方、泥やがれきが散乱した高級リゾート地では、復旧作業が始まった。

 英国の外務省は、洪水により英国人1人が死亡したことを確認したが、それ以上の詳細は明らかにしていない。

 アンティーブ(Antibes)で1人、カンヌ(Cannes)で2人、マンドリュー・ラ・ナプール(Mandelieu-la-Napoule)で1人が行方不明になっている。マンドリュー・ラ・ナプールでは、車庫で自動車を移動させようとしていたところ洪水に見舞われて身動きが取れなくなった7人が死亡している。

 カンヌだけでも、3時間でほぼ2か月分の降水量に相当する180ミリの降雨が観測されるという記録的な豪雨により、被災地域では約9000戸で今も停電が続いている。

■警報の出し方に課題

 一方、暴風雨に先立ち、警戒レベルを「オレンジ」の段階に留めたことに対して批判の声も上がっている。

 政府報道官はラジオ局の取材に対し、「もし警戒レベルをレッドに引き上げるべきだったとしたら、今回起きたことを事前に予測することが可能だったか、検討しなければならないだろう」と話した。

 今年12月に2020 年以降の温室効果ガス削減の取り決めについて話し合う国連(UN)気候変動会議が開催されるフランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は4日、今回の災害を環境問題の教訓とすべきだと指摘し、「大災害はこれまでも常に発生していたが、頻度や激甚化が高まっている」と述べ、環境問題で「決断を下す」必要があると強調した。(c)AFP/Martin De Montvalon and Paul Aubriat