【10月5日 AFP】欧州連合(EU)の国境管理機関代表は、今年の初めから9月末までにEU圏内に不法入国した人々の数が63万人に上ったことを明らかにし、移民危機への対応策について抜本的な見直しを訴えた。

 欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス、Frontex)のファブリス・レッジェリ(Fabrice Leggeri)代表は、5日に公開される仏報道団体エブラ(Ebra)とのインタビューで、「EU加盟各国は、自国の国境に数百人の警察官らを配置するより、(EUの)外側の圏境に派遣する方がずっと役に立つことを理解すべきだ」と述べ、「実際の境界は(イタリアの)ランペドゥーサ(Lampedusa)島、(ギリシャの)レスボス(Lesbos)島、(北アフリカにあるスペインの海外領土)メリリャ(Melilla)」などだと、欧州における移民・難民危機の中心地数か所を挙げた。

 同代表は、「各国が隣国との調整を行わずに独自に危機を管理しようとするなら、(移民)流入はある国から別の国に移動するだけで、結局全員の負担になる」と語り、さらに、最前線のギリシャに配置されるフロンテックスの職員を約200人に倍増する準備を進める一方、「ギリシャ当局を支援する欧州国境警備隊員が1000人か2000人いたならば、当該地域の危機に対する目覚しい効果を生んでいただろう」と主張した。(c)AFP