【9月28日 Relaxnews】エジプト南部ルクソール(Luxor)近郊の「王家の谷(Valley of the Kings)」にあるツタンカーメン(Tutankhamun)王の墓は、修復のため10月から一般公開を中止する。エジプト考古省が20日、発表した。

 ツタンカーメン王は、紀元前1324年に19歳の若さで死亡した。王位に就いていたのはわずか9年間。ラピスラズリ(瑠璃)や半貴石で飾られ純金11キロが使われた「黄金のマスク」など、埋葬室で見つかった数々の宝物がよく知られている。

 マムドゥーフ・ダマティ(Mamdouh al-Damati)考古相は声明の中で、1922年に英考古学者ハワード・カーター(Howard Carter)氏によって発見されたツタンカーメン王の墓について「エジプトで最も重要な遺跡の一つ」であり、「保護・保存のため」修復すると説明した。

 考古省のモハメド・アフィフィ(Mohamed Afifi)氏によれば、「ツタンカーメン王のミイラは第2墓室に移動し保管する」という。今回の修復対象には墓の床面も含まれており、修復作業の完了までどのくらいかかるかは不明。

 ツタンカーメン王をめぐっては今年1月、首都カイロ(Cairo)のエジプト考古学博物館(Egyptian Museum)が収蔵している「黄金のマスク」の「下手な修復」がメディアの話題をさらった。博物館職員が外れたあごひげの部分を付け直した際、表面に硬化した接着剤が残ってしまったとされる。

 ナイル川(Nile)ほとりにある人口50万人のルクソールには、古代エジプトの寺院や墓などの遺跡が数多く残されている。(c)Relaxnews/AFPBB News