【9月20日 AFP】ラグビーW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)は19日、プールBの試合が行われ、日本代表は34-32で過去2度の優勝を誇る南アフリカ代表を下し、大会史上最も衝撃的な結果を残した。

 ブライトン(Brighton)で行われたプールBの初戦で、日本は試合開始直後から活気づくパフォーマンスをみせてスプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)を攻め立てた。

 五郎丸歩(Ayumu Goromaru)の見事なトライを含む24得点の活躍で試合に踏みとどまった日本は、試合終了間際に南アフリカの必死のディフェンスをかいくぐると、カーン・ヘスケス(Karne Hesketh)がトライを決めて白星を挙げた。

 試合後に日本の選手は、スタジアムに詰めかけた2万9000人の観客の歓声の中、日の丸を手にスタジアムを一周した。

 大会後に退任するエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は「素晴らしい偉業だ。われわれはこのために頑張ってきた。個人的にはラグビー人生でもトップクラスで最高の日だ」と語った。

 大勝を見込んでこの試合に乗り込んだ南アフリカだったが、日本は決して服従することはなかった。

 2019年のラグビーW杯(Rugby World Cup 2019)を開催するアジア王者の日本は、これまでのW杯では1991年大会のジンバブエ戦で1勝を挙げたのみにとどまっており、通算成績は1勝2分け21敗だった。

 試合は後半、南アフリカがボーナスポイントが与えられる4つ目のトライを決めるなどし、29-22とリードを奪った。

 これで引導を渡したと考えたスプリングボクスだったが、日本は五郎丸がトライに続きコンバージョンも決めて29-29の同点に追いつく。

 残り7分でハンドレ・ポラード(Handre Pollard)がペナルティーキックを決めて再び3点のリードを奪った南アフリカだったが、この得点を狙った判断には観客からブーイングが浴びせられた。

 すると、日本はロスタイムにヘスケスのトライで逆転し、疲れ知らずの戦いぶりで大会を沸かせる勝利を手にした。(c)AFP