【9月17日 AFP】開幕が目前に迫ったラグビーW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で、日本代表を躍進に導ける人物がいるとすれば、それはエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)をおいてほかにいないだろう。

 ワラビーズ(オーストラリア代表)をW杯決勝に導いた名将は、W杯でサプライズを起こすことを狙っている。

 2003年のW杯オーストラリア大会では、延長戦の劇的なドロップゴールでイングランドに屈したものの、ワラビーズを準優勝に導いたジョーンズHCは、2007年にW杯を制覇したスプリングボクス(南アフリカ代表)でのコーチングスタッフを経て、2012年に日本代表の指揮官に就任。

 そしてジョーンズHCは、外国勢との体格差を克服するために、選手に対して練習の虫になることを課してきた。

 過去のW杯で幾度となくひ弱さを露呈してきた日本代表だが、55歳の指揮官によれば、今回のチームには番狂わせを起こし、ベスト8に進出できるだけの力があるという。

 今大会終了後に退任することを発表しているジョーンズHCは、AFPのインタビューに応じ、「オーストラリア代表でW杯を経験していたことは、とても幸運でした。そして今大会の唯一の目標は、W杯で勝つことです」と語った。

「チームは少しプレッシャーを感じていますが、それが悪いことだとは思っていません。今はうまく付き合うのが難しいのかもしれませんが、大会に入れば、それを武器にすることだってできます」

 日本代表が、朝の5時から始まる過酷なトレーニングを積んでいるのも、すべてはライバルたちに一泡吹かせるためだ。ジョーンズHCは、選手にエネルギーの最後の一滴まで絞り出させるような、科学的トレーニングを取り入れつつ、同時に番狂わせを起こす策を練っている。

 2012年に元オールブラックス(ニュージーランド代表)のジョン・カーワン(John Kirwan)氏からチームを引き継いだジョーンズ氏が、指揮官就任後に真っ先に取り組んだのが、外国出身選手を減らし、日本の強みを生かしたラグビーを追求することだった。

 日系人を母に持つ名将の下で、日本の選手は次第に自信をつけていくと、2014年にはテストマッチ10連勝を達成し、世界ランキングでも10位以内に食い込むまでになった。

 それでも、ジョーンズHCがあらゆる策を駆使しなければ、南アフリカ、サモア、スコットランド、米国が入るグループBを突破することは困難を極めるだろう。