■先に旅立つのは雌

 研究チームは、10組、20羽のイワトビペンギンに軽量センサーを付け、約半年間、別々に過ごしているカップルの動きを追跡調査した。

 このうち、ねぐらがある島に戻り、以前のパートナーとの関係を復活させたペンギンは7組。2羽はシングルになった。研究チームは、残りのペンギンたちは、海で死んだか、別の場所に移動したのだろうと推測している。

 センサーが示したデータによれば、一般的にイワトビペンギンのカップルは、海での暮らしを楽しんでいる間は、数百キロも離れて過ごしている。1組に至っては、2500キロ近くも離れていたことが分かったという。

 イワトビペンギンは、以前の相手と久しぶりに再会した後は、即座にマイホーム主義者に変身し、大半の時間を巣で過ごす。

 研究チームは、コウテイペンギンなどの鳥は、一緒に巣作りをすることもなく、一夫一婦制を保つことも少ないと指摘している。

「イワトビペンギンは、毎年、以前に営巣した同じ場所や地域で繁殖を繰り返しているようだ」と、ティエボ氏は言う。「そのおかげで、自分が知る陸地の場所で元のパートナーと再会できていると思われる」

 イワトビペンギンの複雑な求愛儀式も、相手を見つけるのに役立っている可能性があるという。

 繁殖期が終わり、最初に旅立つのは母親ペンギンのほうだ。父親ペンギンの旅立ちは1週間近く遅い。また、半年間、離れている間、雌のペンギンたちは、雄のペンギンたちより数百キロ以上長い距離を移動する。(c)AFP/Joshua MELVIN