【6月4日 AFP】ドイツ北部ブレーマーハーフェン(Bremerhaven)の動物園で、オス同士のフンボルトペンギンのカップルが卵のふ化に成功し、子育てにいそしみ始めた。動物園関係者が3日明らかにした。

 オスの同性カップル、ツェー(Z)とフィールプンクト(Vielpunkt)が温めていた卵は、実の親が育児放棄したもの。2匹は「喜んで『イースターの贈り物』を受け取り、すぐに温め始めた」という。

   「ひながかえると、2匹は通常の雄雌ペアと同じように振る舞い始めた。2匹とも幸せそうで日々、熱心に『養子』の世話をしている」

 この動物園で飼育されているフンボルトペンギンの群れには、計6匹のオス同士のペアがおり、2005年にスウェーデンから4匹のメスが彼らの「治療」のために連れて来られたが、試みが失敗に終わったことで有名になった。

   「動物の世界では同性愛はめずらしいことではない。われわれ(人間)の世界でも、性交して一緒に暮らすことは必ずしも繁殖とは関係ない」と動物園側は説明している。

 フンボルトペンギンは通常、チリやペルーの沿岸に生息しているが、餌とするカタクチイワシの不足から個体数は1万2000-2万匹まで減少しており、絶滅が懸念されている。(c)AFP